ミネラルタウン**(黒)クリフ×クレア

突飛な人


「なんで嘘ついたの?」
 クレアが尋ねる。
「別に責めているわけじゃないわ。見抜けなかった私が悪い」
 そう言いながらも言葉にはトゲを感じる。
 クリフはそんなクレアに苦笑しながら答える。
「よく言うでしょ? 嘘の半分はやさしさでできているって」
「やさしさからくる嘘はあっても、全ての嘘がやさしさから来ていたり、やさしさになれるわけじゃない」
「……厳しいお言葉で。つまりなにが言いたい? 嘘をつくなとでも?」
 クレアは首を横に振る。
「信頼しているから、話さないことってあるものなんだなって思っただけ」
 その言葉はクリフにとって予想外のものだった。
「信頼されてると思ってるの?」
「私自分のこと見せる相手にはそれなりの見返り求めることにしているの。それとも信頼されてると思ってるのは私の勘違い?」
「そう言われていいえと言える人が奴が居たら見てみたい」
「アンタだったら言えるし、言うわね。本当に信頼されてなかったら」
 全て見抜かれている。
 なんでここまで見抜けるくせに、あんな嘘が見抜けなかったのかが、不思議でならない。
 クリフは湧き上がる笑いを堪えながら答えた。


もどる