ミネラルタウン**ドクター×クレア

会議


 「エリィに好きな人が? 相手は?」
 「自分だとは思わないのかこの天然野郎。……あ、すみません。あんまり鈍いのでつい」
 「僕?」
 「そう、貴方ですよ。気がついてあげなさいよ。少しはカッコいいかなって男と毎日顔つきあわせてれば誰でも好きになるわよ。性格も悪くないんだしこれは確実ね」
 「それはクレア君の主観ではないのかい?」
 「自惚れないの。私が好きなのは」
 「好きなのは?」
 「なぜ貴方に教えなければならないの?」
 「もしかしてピートかい?」
 「自分のことには鈍感なくせに他人の恋愛ごとは分かるのね」
 「いやただの消去法。グレイにはマリー君がいるし、リックにはカレン君、クリフにはラン君、カイはポプリ君」
 「ようするに彼らの恋仲を円滑にする為に余り者同士でくっつけと」
 「そこまでは言ってないだろ」
 「で、エリィのこと、どう思う?」
 「……鈍いのは君だよ。ピートはエリィ君のことが好きだ。エリィ君もピートのことが好きだ。仮にエリィ君が僕のことを好きだとしてもそれは昔の話。今の彼女を見る限り、昔好きだった人と今好きだった人の切り替えが上手くできずに困っている。この考えはどう?」
 「もし私がピートを好きだったとしたらものすごく傷ついているでしょうね。仮にも医者であるあんたが人を傷つけてどうするのよ。まあ私が好きなのはピートじゃないから傷害未遂だけど。はったりかましてただけよ」
 「へえ、じゃあ誰なんだい? 君が好きなのは?」
 「サイバラさん」
 「クレア君らしいね」
 「納得するな。私が好きなのは」
 「好きなのは?」
 「教えない」
 「なんだそれは」
 「絶対に教えないこの鈍感男」


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