ミネラルタウン**クリフ×クレア

猫っ可愛がり


「クレアさんって、猫みたいだよね」
 唐突に、隣にいるクリフが言った。
 クレアは思わず、聞き返す。
「え? 猫?」
「うん」
 クリフはなぜかご機嫌だ。
 どちらかというと、犬派であるクレアは少しだけむっとしてしまう。
 それを聡くクリフが気がつく。
「なに怒ってるの?」
「別に」
 会話が途切れる。ちらりと隣をみるが、クリフはにこにこしているままだ。
 クレアはため息をつく。
「なんでそう思うの?」
 そうだね、とクリフはつぶやく。
「寒いところが苦手で暖かいところが好きなところとか」
「それだけ?」
「猫舌だし、他にもあまり素直になれないところとか」
「ようするに気まぐれ屋さんでわがままって言いたいわけ?」
 いつもより言葉遣いが少しだけきつい。
「だいたいクリフがどういうつもりか知らないけれど、私猫あまり好きじゃないの」
 そういいながら、クレアはクリフのことをみた。
 犬みたいだ、と思った。
 野犬なんかじゃなくて、牧場で飼っているもものすけのような。
 人懐こくて、かっこいいというよりはかわいいが似合う。
「そうなの? 僕は猫好きだけれど?」


もどる